中国古代史というと、戦国時代を描いたキングダムが漫画にもなっていますし、アニメも人気です。しかし、そんなキングダム(紀元前200年-300年)よりもさらに昔を描いた小説について、整理したいと思います。
夏 → 殷の時代
世界史の授業で誰もが習ったことのある、「殷」ですが、それ以前に「夏」という王朝があったとされています、この辺りは歴史的にまだ確定していないのですが、そんな時代を描いた小説として、「天空の舟」があります。
あ、先にお伝えしておきますが、今回ご紹介する小説は全て、宮城谷昌光さんの作品となります。
この天空の舟という小説は、夏の料理人であった「伊尹」(いいん、と読みます)がのちの湯王とともに、夏を滅ぼし殷をたてる物語です。伊尹も湯王も実在したとされていますが、小説の中身はほとんど創作だと思います。

殷 → 周の時代
次の時代は、殷から周に映る時代です。
この頃を描いた作品が「太公望」です。名前だけは聞いたこともあると思います。殷を滅ぼし、周をたてることに尽力じた太公望という方のお話、周をたてたのちは、中華東方の斉の領主になっています。

周の時代(春秋時代)
周の時代、といっても周を描いた作品ではなく、この時代の俗称である、覇者の時代にちなんで覇者とそれを盛り立てた宰相たちの作品が多くあります。読んだ順に書いていますが、古い順になっています。ちなみに春秋五覇というと、5人いるのか?と思いますが、諸説あるようで5人以上出てくる場合があります。もっともな5名を挙げると、斉の桓公(かんこう)、晋の文公(ぶんこう)、楚の荘王(そうおう)、呉王闔閭(こうりょ)、越王勾践(えつおうこうせん)が一般的なようです。
呼び方で気づくかもしれませんが、文公までは「公」を名乗っていますが、それ以降は「王」を名乗っています、これはどうやら周王朝の支配力が及ばなくなり、各地で王を名乗るようになったようなのです。キングダムでは、戦国七雄として、秦や趙、斉、などなどそれぞれ「王」を名乗っていますよね?
これは勝手な解釈ですが、日本でいう朝廷が周、征夷大将軍となって幕府を開いた者が覇者みたいな感じなのだと思います。
管仲(かんちゅう)
斉の宰相、管仲という方のお話、春秋五覇の一人、桓公を支えた。「管鮑の交わり」という故事が有名。

重耳(ちょうじ)
春秋五覇の一人、晋の文公のお話。次に紹介する「砂中の回廊」の他にも「介子推」という作品もあります。晋はのちに魏、趙、韓と三つに別れてしまいます。キングダムでもお馴染み三国ですが、晋が分離した頃を境に、戦国時代、と呼ぶことが定説らしいです。

沙中の回廊(士会(しかい))
晋の宰相、士会という方の話。

子産(しさん)
鄭(てい)に仕えた政治家の話。

晏子(晏嬰(あんえい))
斉に仕えた政治家の話。

呉越春秋 湖底の城(伍子胥(ごししょ)、闔閭(こうりょ)、勾践(こうせん))
楚を亡命し、呉王闔閭を助け楚を滅ぼした伍子胥、また、呉を滅ぼした越王勾践が出てきます。そうそう、「孫子」という兵法書を記した孫武という方も出てきますね。伍子胥と孫武でもって南の大国楚を滅ぼします。ま、すぐに復興するみたいですけど。

まとめ
今回は中国古代史を描いた宮城谷昌光さんの小説を整理してみました。実際に読了したものしか載せていませんが、他にもたくさんの作品があります。最近の作品だと、「論語」を記した孔子を描いた「孔丘」とかですかね、孔丘は孔子の本名らしいです。

まあ、実在こそしたものの、記録が詳細でない方々の話なので、著者の宮城谷さんの創作も多分にあると思いますが、さまざまな歴史書を辿って構成されているので、全くの作り話というわけでも無いみたいですので、当時何があったか知りたい方は一度読んでみてはいかがでしょうか?
個人的には、「重耳」がおすすめです。
あと、この後の時代を描いた作品を今読んでいるところなので、まとまったらまた紹介しますね。次は戦国時代編を予定しています。

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